60代・70代に効果的な運動は?最新データをもとに検証

「脳を老け込ませないためには、運動がいい」という書籍がベストセラーになっています。

60代・70代(あるいは、それ以降の高齢期)ではどんな運動を、どのくらい行うのが適正なのでしょうか?

この記事では、東京都健康長寿医療センターの報告をもとに、高齢期にすすめられる運動やライフスタイルの例を検証します。

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長寿には筋トレが有効

高齢者の身体的な脆弱(虚弱)化を表す言葉で、「サルコペニア(ギリシャ語のサルコ:筋肉と、ぺニア:喪失をあわせた造語)」があります。

もともとは「加齢に伴って骨格筋量(筋肉量)が低下すること」と定義されていましたが、最近では死亡・障害の直接的な関連は筋力の衰えであることから、「骨格筋量と筋力が低下した状態」とより定義が広がってきました。

とくに歩行速度や転倒の予防・握力(上半身の筋力)を維持するため、筋力の向上にはマシンを利用したレッグプレスやロウなどのエクササイズ(サルコペニアの予防には、自重で行うスクワットやチューブを利用したロウなど)が推奨されています。

その他にも、体幹部の軽体操・柔軟性やバランス能力を養うエクササイズなどを総合的に行うことが勧められています。

高齢期の運動の進め方

運動の開始する前に、まず医師の診断を受けて運動を始めて問題がないか確認すること、そして自己流ではなく健康運動指導士やNSCA(パーソナルトレーナーの認定団体)などトレーニングの有資格者の指導を受けて始めることが勧められています。

将来的な筋力の向上の前に、準備段階として、まずごく軽めの負荷で高回数(20~30回)でトレーニングを行うことにより神経系の発達や、筋肉・腱などその後に行う中~高負荷のトレーニングに対する耐性をつけるようにしていきます。

その後、エクササイズの習得度や筋力レベルを確認して、無理のない範囲で負荷を上げていき、筋力・筋肉量を増やすトレーニングに移行します。

そうして基本的な体力がついてきたところで、より日常的な動作に近い機能的なトレーニングを加えていくようにします。

高齢期のトレーニングの注意点

高齢期のトレーニングでは、筋トレとロイシンなどを多く含んだアミノ酸(たんぱく質を分解したサプリメント:栄養補助食品)を摂取したグループは、筋肉量の増加が見られました。

一方で、運動のみのグループは筋肉量が減少したという報告があります(運動により、筋肉量が分解したためと思われます)。

中年期の健康には、メタボリック(肥満、成人病の予防)の対策が推奨されています(学生時代などより運動量が減ってくるため)。

一方、高齢期は運動量とともに食べる量も減ってくるため、フレイル(サルコペニアも含めた、心身の脆弱・虚弱化)が進む恐れがあります。

そのため高齢期には、筋力・筋肉をつける運動とともに、肉・魚・卵など、体の組織をつくるたんぱく質や、エネルギー源となる脂質も適量含めた「適度に洋食の要素を含めた和食」が勧められています。

(実際の栄養バランスは、採血など健康診断の結果を参照するようにします)

ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました。

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