
「胸の筋肉がなくて、上半身が貧相…」「筋力がなくて、腕立て伏せができない…」といったことはありませんか?
胸の筋力・筋肉が衰えてくるのは、日常生活では胸筋に大きな負荷がかかりづらいから。
胸の筋肉は腕・肩を前方へ押し出す働きがありますが、普段の立つ・座るといった姿勢からだと、胸筋に大きな負荷をかける機会がありません。
そのため、胸板を形成する大胸筋を発達させるには、ベンチに仰向けになってバーベルやダンベルを挙げるベンチプレスが効果的です。
この記事では、ベンチプレスを効果的に行うためのやり方のコツを解説していきます。
この記事を読み終えると、初心者の方も安全にベンチプレスを行えるようになり、筋力がついてTシャツやスーツも似合う上半身がつくれるようになります。
大胸筋の働き
大胸筋は、胸板を形成する扇状の大きな筋肉になります。
大胸筋は、おおまかに上部(鎖骨部)・中部(胸肋部)・下部(腹部)に分けることができ、フラット(平らな)ベンチで行うベンチプレスでは、主に大胸筋の中部を鍛えることができます。
大胸筋中部は、肩関節の水平内転(腕を横から前方へ押し出す・振る動作)・内旋(上腕を内側へひねる動作)、また呼吸する際の補助をする働きがあります。
ベンチプレスで鍛えられる主な筋肉
ベンチプレスでは、主に大胸筋中部・下部、上腕三頭筋(二の腕)、三角筋(肩)前部が鍛えられます。
また扱う重量が重くなってくると、腹筋や背筋、脚や殿筋(ヒップ)など体を安定させる補助的な筋肉の働きも大きくなってきます。
ベンチプレスでは、肩関節の水平内転(腕を前方へ押し出す動作)のほか、肘関節の伸展(ヒジを伸ばす動作)も加わるので、より重い重量が扱え、上半身の基礎となる筋力・筋肉量のアップに効果的です。
ベンチプレスのやり方と注意点
①ベンチに仰向けになって、バーの真下に目の辺りがくるように横になります。
②バーの刻みのところ(81cmのライン)に小指がかかるくらいの手幅で、バーを握ります。(身長が170cmくらいの場合。背の高さや肩の柔軟性により、微調整するようにします)
③肩・殿筋(ヒップ)をベンチにつけて背中の自然なアーチを保ち、足を床につけます。
④バーを持ち上げてラックから外し、息を吸いながら大胸筋の下へバーを下ろしていきます。(このとき、手首が寝てしまわないように注意。手首はまっすぐに保つようにします)
⑤息を吐いてバーを垂直に、まっすぐに挙げて繰り返します。
・ベンチプレスを行う際は、バーベルが挙がらなかった時に備えて、必ずセーフティバーをセットしておくこと。可能であれば、補助者についてもらうことがお勧めです(上級者向けとして、挙がらなくなってからわずかに補助を受けて、さらに1~2回繰り返すといったテクニックもあります)。
ベンチプレスの回数とセット数の目安
プレス動作の場合、フォームに慣れるまでは軽めの重量で10~15回。慣れてきたら徐々に重量を上げ、6~10回を目安とします。
(筋力アップが目的の場合は、高重量で6~8回が目安。ただし、疲労が残らないよう、期間を区切って行うことが勧められます)
セット数は、メインセットの50~70%程度の重量で2~3セット、メインセットで2~3セットを目安に行います。
ベンチプレスを行う際のまとめ
・ベンチに肩・ヒップ、足を床についてしっかりと体を固定しておくこと(動作中、お尻を浮かせず、コントロールした動作でウェイトを上下すること)
・手首はまっすぐに、胸筋の下部へバーを下ろし、垂直に上下すること。
・バーベルが挙げらなかった時に備えて、必ずセーフティバーをセットしておくこと。
軽めの重量からスタートしてフォームを身につけ、筋力がつくにしたがって徐々に重量を上げるようにしていくと、厚みのある大胸筋をつくることができます。