
「チンニング(鉄棒の懸垂運動)が1回もできない、どうすればできるようになる?」
チンニングは自分の全体重を引き上げなければならない強度の高いエクササイズになりますが、手順を踏んでいけば筋力をつけ、複数回行うことも十分可能です。
ここではチンニングが行えるようになるための4つのステップを解説していきます。
チンニングがができるようになる4つのステップ
チンニングができるようになるための効果的なステップは、
①バーハング(ぶら下がる)
②フレックスハング(トップポジションで維持)
③ネガティブレップ(ゆっくりと体を下ろす)
④リバースからオーバーハンドグリップ(手の向きや幅を変える)
が挙げられます。以下に説明していきます。
バーハング(バーにぶら下がる)
チンニングで使われる筋肉は、広背筋(背中、わきの下の筋肉)・上腕二頭筋(力こぶの筋肉)・前腕の屈筋群(ヒジから下、握る筋肉)など。
まずバー(鉄棒)にぶら下がることで、これらの筋肉の神経系の働きを高め、筋力を発揮しやすい状態をつくっていきます。
肩幅かやや広めにバーを握って、ぶら下がったときはヒジをわずかに曲げ、肩甲骨も下方向に下げるようにしてヒジ・肩の関節の負担を軽減するようにします。
バーの握り方には、オーバーハンドグリップ(順手)・リバースグリップ(逆手)がありますが、最初はリバースグリップの方が上腕二頭筋の働きが大きくなり、握りやすくなります。
(この他、ハンドルの種類によりニュートラル:手のひらを向き合わせたグリップがありますが、これも効果的です)
最初は10秒くらいを目標に、徐々に時間を伸ばしていくようにします。
フレックスハング(トップポジションで維持)
バーにぶら下がることに慣れてきたら、トップポジション(最上部でヒジを曲げた状態)で筋肉を引き締めるように力を入れ、その状態を数秒間キープするようにします。
(足がつく高さにバーベルをセットするか、または手が届くように足元にベンチをセットします)
5~6秒維持するだけでも、筋力はアップします。
最初は軽く足をつきながらでもよいので、徐々に時間を伸ばしていくようにします。
ネガティブレップ(ゆっくり下ろす)
トップポジションで体を維持することに慣れてきたら、そこからゆっくりと体を下ろして着地するようにします。
(筋力は、ポジティブ:上げていく局面より、ネガティブ:下ろしていく局面の方が発揮されます)
重力に逆らってゆっくりと(できれば、10秒くらいかけるイメージで)体を下ろしていき、背中や腕の筋肉がストレッチされていくのを感じるようにします。
ハードな段階ですが、数回繰り返せるようになるとかなり筋力も養われてくるので、じきにポジティブの局面でも自力で体を上げられるようになります。
リバースからオーバーハンドグリップ(手の向きや幅を変える)
リバースグリップ(逆手で行う懸垂は、チンアップとも呼ばれています)で行えるようになったら、オーバーハンドグリップ(順手、プルアップともいいます)でもトレーニングすることができます。
逆手で行うチンニングは主に広背筋の下部や上腕二頭筋に、順手で行うチンニングは広背筋の上部や大円筋(わきの下の、腕の付け根に近い部分)に負荷がかかります。
リバースグリップでは肩幅からやや狭い手幅、オーバーハンドグリップでは肩幅より広い手幅で行われるのが一般的。
慣れてきたらトレーニングごとに手の向きや幅に変化を加えると、背中や腕に違った刺激を加えることができ、上半身の輪郭を良くしたり全体的な筋力のアップにも効果的です。
まとめ:さらに効果を上げるために
チンニング(懸垂)は高強度のエクササイズですが、筋力や筋肉は徐々に負荷抵抗を大きくすることで発達していくので、段階を踏んでいけば複数回行うことも十分可能です。
12~15回以上できるようになったら、補助ベルトを使って荷重して行うこともできます。
また、ボディビルダー時代のアーノルド・シュワルツェネッガーが行っていたやり方で「50レップ法」も背中の筋肉をつけていくのに効果的です。
これは、総回数が合計で50回になるまでセットを繰り返すというもの。
(例えば1セット目が10回、2セット目が8回だったとすると、計18回。これで合計が50回になるまでセットを繰り返します。なかには100回までチャレンジする強者もいます)
この他、バーベルやマシンを利用できればベントオーバーロウやラットプルダウン、デッドリフトなども背面の筋力・筋肉を鍛えていくのに効果的な方法になります。
▼背中の筋肉の鍛え方は、こちらも参照
