
PFCとは、たんぱく質・脂質・炭水化物(糖質)のこと。
体脂肪を減らすためのダイエットでは、PFCのバランスに沿った食事メニューが効果的です。
この記事では、体脂肪率5%のダイエットの経験を持つトレーナーが、PFCバランスについて・PFCの働きと1日の摂取量・食品・体脂肪を減らすのに理想的なバランスを解説していきます。
PFCバランスに沿った食事メニュー
少し乱暴な言い方をすれば、食事を制限すれば体重を落とすことはできます。
ですが、カロリーを減らすだけだと筋肉量も減ってしまい、体は一回りサイズダウンするだけでメリハリがなく、体力も低下してしまいます。
また、筋肉量が減少すると代謝(エネルギーを消費する割合)も落ちてくるため、かえって太りやすい(リバウンドが起こりやすい)体になってしまいます。
さらにカロリー(エネルギーの単位)が同じだとしても、中身は食品によって変わってきます。
(例えば、青魚に含まれている脂質は体脂肪を減らす効果が認められていますが、洋菓子や揚げ物に含まれる脂質は摂りすぎると太るもとになります)
そのため体脂肪を減らし、メリハリのついた体をつくって維持するには、エネルギーの量だけではなく食品の質(食事の内容)も大切になってきます。
以下に、PFC(プロテイン・ファット・カーボ:たんぱく質・脂質・糖質)の働きと含まれる食品、バランのよい摂取量の計算方法の詳細を述べていきます。
たんぱく質の働きと1日の摂取量の目安

たんぱく質は、筋肉や心臓・内臓などの臓器、皮膚・髪・爪など、体のほとんどの組織をつくる材料となります。
たんぱく質を多く含む食品は、皮を除いた鶏肉・脂質の少ない赤身の肉・魚介類・卵・乳製品・大豆製品など。
サプリメント(栄養補助食品)として、各種のプロテインを摂ることも効果的です。
一般的なたんぱく質の1日の摂取量の目安は、体重1kgあたり1~1.6g。
(体重50kgの場合は、50~80g。競技ボディビルダーなど、よりハードに筋トレを行っている人は体重1kgあたり2~3gに及ぶ場合もあります)
だいたい手のひらに乗るくらいのサイズの肉・魚類が約100gで、その中に約20gのたんぱく質が含まれています。
卵1個で、たんぱく質が約6g。
これらの食品に加えて、不足分を低脂肪の乳製品や納豆・豆腐などの大豆製品、プロテインパウダーなどで補うようにします。
▼プロテインの種類・選び方についてはこちらを参照
体づくりの食事では、筋肉量を増やすときも体脂肪減少が目的の場合も、基本は高たんぱく・低脂質。
体重コントロールは、炭水化物(糖質)の増減によって行います。
脂質の働きと1日の摂取量の目安

脂質は、炭水化物(糖質)に次ぐ、体を動かすための第二のエネルギー源。
体温の維持や関節・内臓の保護、細胞膜やホルモンを構成し、ビタミンの吸収を助けたりする働きもします。
エネルギー量が多いので(1gで9kcal。たんぱく質・糖質は1gで4kcal)、摂りすぎには注意が必要です。
脂質の1日の摂取量の目安は、体重1kgあたり1g弱。
良質な脂質が多く含まれる食品は、鮭・さば・いわしなど魚介類に含まれるもの、ナッツ類、オリーブオイル、アボガドなど。
(肉類や乳製品に含まれる脂質は常温で固まる性質があるので、多くなりすぎないようにするか、定期的に運動をすることが大切です)
糖質の働きと1日の摂取量の目安

糖質(炭水化物から食物繊維を除いたもの)は、体を動かすもっとも効率的なエネルギー源。
不足すると疲労しやすく、集中力の低下などが起こりやすくなりますが、過剰になると体脂肪となって蓄積されます。
糖質が多く含まれる食品は、米・めん類・パン類・いも類・果物・野菜類・砂糖など。
糖質の1日の摂取量の目安は、筋肉量のアップが目的の場合は、トレーニング日は体重1kgあたり3~4g、休養日は2gとなります。
体脂肪減少が目的の場合は、トレーニング日は体重1kgあたり2g、休養日は1gが目安となります。
とくに体脂肪減少が目的の場合は、精白されていない穀物を主体にするのがおすすめ(玄米や雑穀米、そば、全粒粉やライ麦のパン、オートミールなど)。
消化・吸収がゆっくりと進むので腹持ちがよく、食欲が抑えられてダイエットの効果が期待できます。
また、食物繊維が多く含まれているので、腸内の環境を整えるのにも役に立ちます。
⦅ただし、トレーニング後は精白された穀物(白米、パスタ、食パンなど)のほうが消化・吸収が速く進み、エネルギーの補給をよりスムーズに行うことができます⦆
終わりに:体脂肪を減らすには
体づくりに理想的なPFC(たんぱく質・脂質・糖質)のバランスは、高たんぱく・低脂質、体重コントロールは糖質の増減で調節することが基本です。
それぞれの摂取量は、1日に体重1kgあたり
・たんぱく質 ×1~1.6g(競技ボディビルダーなど、よりハードに筋トレを行っている場合は2~3g)
・脂質 ×1g弱
・糖質 (筋肉量アップを目指す場合)トレーニング日:×3~4g、休養日:×2g (体脂肪減少を目指す場合)トレーニング日:×2g、休養日:×1g
が目安となります。
上記の3大栄養素以外にも、ビタミン・ミネラル・食物繊維といった微量栄養素も、さまざまな食品からバランスよく摂取していくことが理想になります。
体を引き締めるには、「カロリーが同じであれば何を食べてもいい」というわけではありません。
⦅カロリー(エネルギーの単位)は同じでも、食品によりその中身は異なってきます⦆
こうした点から、体脂肪を減らして体を引き締めるには食事を制限するだけでなく、食品を適切に選択することが大切になってきます。