
「補助についてもらっていいですか?」
昔、ジムに常勤しているとよくベンチプレスなどの補助を頼まれたものです(監修トレーナーも初めてジムに入ったとき、よくしてもらっていました)。
残念ながら最近ではジムにトレーナーが不在の場合も多く、あまり見られなくなりましたが、正しく行えば「フォーストレップ法」は筋肉が強烈に追い込まれるテクニックのひとつです。
今回は上級テクニック・フォーストレップ法とは何か、また良いスポッター(補助者)になるための注意点などを解説していきます。
フォーストレップ法とは

フォーストレップとは「無理やり行う」という意味で、筋肉が疲労の限界に達してからもセットを継続するための高強度の上級テクニックになります。
ウェイトが挙がらなくなった時点でセットを終えるのではなく、スポッター(補助者)に少しだけウェイトを挙げる手伝いをしてもらい、そこからさらに1~3回程度、繰り返します。
筋肉を徹底的に疲労させ、より強烈なバーン(筋肉が焼き付くような感覚)を得ることができます。
このテクニックを正しく行うには、ウェイトトレーニング(筋トレ)に精通したトレーナーやパートナーの存在が不可欠になります。
フォーストレップ法の正しいやり方

フォーストレップでは、単にウェイトを挙げる補助をしてもらうだけでは十分ではありません。
セットの終盤で力が尽きてくると、フォームが乱れてきます。
スポッターはウェイトを挙げる補助を行うだけでなく、トレーニングする人のフォームに注意を払い、必要であれば声もかけるようにします。
そうすることで限界を超えて行う場合でも、対象とする筋肉を正しく使い、さらにはケガを防止する効果も見込めるようになります。
初心者も可能であれば、トレーナーや慣れたパートナーに補助してもらうほうがよいです。
(ただし、この場合は限界まで追い込むより、正しいフォームで動作を行い、安全にセットを完了するすることが目的となります)
またフォーストレップは非常に強度が高いため、セットや回数を限定して行う必要があります。
フォーストレップを採り入れる際の注意点

(↑こんな補助は絶対にダメ!とくにバーベル・ダンバルなどフリーウェイトを扱っているときは、動作に全神経を集中するようにします)
フォーストレップ法を行う場合は、まず軽めの重量でウォーミングアップのセットを行った後、メインの高重量を使う1~2セットから試してみるとよいです。
強度の高いトレーニングでは、メインセットが1~3セットだけでも、筋肉は強烈に追い込まれます。
(何セットも永遠と繰り返して行えるようなら、最高の強度が発揮されていない可能性があります)
そうして、フォーストレップを1~2回(多くても3回程度)繰り返したら、そのエクササイズは終了します。
フォーストレップを採り入れる際は、メイン種目で最後の1~2セット、ときおり(または期間を区切って)行うことが勧められます。
フォーストレップは効果的なテクニックですが、やりすぎは疲労が蓄積し、長期間利用していると反応が鈍くなることも考えられます。
この方法だけに頼らず、ウェイトは自力で挙げることを基本として行うようにします。
まとめ:正しい補助のやり方
高重量を扱うメインセットで、最後の1~2回補助を受けて動作を繰り返すフォーストレップ法は、筋力・筋肉量のアップに効果的なテクニックになります。
ただし非常に強度が高いので、やりすぎには注意が必要。
最後に、効果的に補助を行うための手順をまとめてみます。
・トレーニングする人の動作に全神経を集中する
・適切な補助ができるよう、補助者も足場など姿勢を安定させておく
・補助に頼りすぎず、またしすぎない(限界に達した直後の1回目は、ウェイトをほんの少し動かすだけで十分な補助になる場合が多いです)
・初心者も慣れたトレーナーなどに補助を受けると、正しい軌道で動作を行いやすく、フリーウェイト(バーベル・ダンベル)の効果を十分に得ることができる
・フォーストレップを行うときは、高重量を使うセット間の休憩を少し長めにとり、次のセットに備えて十分に回復できるようにする。
・フォーストレップは1~2回(多くて3回程度)、メインの1~2セットから採り入れるのが目安。
(あまり多すぎるとウェイトをコントロールできなくなる危険もあるので注意。基本的に、ウェイトは自力で挙げるよう意識して行います。
また、疲労の蓄積や慣れを防ぐため、ときおり取り入れるか期限を区切って行うようにします)