
「人生100年時代」といわれますが、人生の後半でも健康でいられるための運動のポイントとは?
この記事では、中年期と高齢期にすすめられる健康づくりのための運動の目標や注意点を解説していきます。
平均寿命と健康寿命の違い
日本人の平均寿命(何歳まで生きられるかの平均年齢)は、厚生労働省の発表によると男性が81.47歳、女性が87.57歳(令和3年の調べ)。
一方、健康寿命(介助が必要となる平均年齢)は、男性が72歳、女性が75歳となっています。
つまり、医療の発達などにより平均的な寿命は延びていますが、男性は後年の約9年間、女性は約12年間、認知症や疾病により寝たきりになったり、誰かの介助が必要になってくる可能性があるということになります。
中~高齢期の運動は健康寿命を延ばし、できるだけ後年の人生も健康でいる期間を長くすることが大きな目標の一つになってきます。
中年期の健康づくりのポイント
50代くらいまでの健康づくりは、メタボリックシンドローム(肥満や高血圧などの生活習慣病)の予防が主なポイントになります。
食事は高カロリーに注意、ビタミン・ミネラルもしっかりと補給。
仕事など社会活動が活発に行われているので、運動不足とともにストレスを解消することも大切になります。
高齢期の健康づくりのポイント
60代以降になると老化の防止、フレイル(筋肉量の減少による虚弱、心身機能の低下)を予防していくことが主なポイントになります。
若いときに比べると活動量は減ってきますが、筋肉が減らないよう、たんぱく質(肉・魚・卵など)をしっかりと摂取。
自宅付近で運動を始めるのもいいですが、フィットネスクラブなどに通うようにすると、トレーニング仲間をつくるきっかけにもなります。
50・60代以降におすすめの運動
じつは成長期以降、筋肉に負荷をかける運動をしていないと、筋肉は年に約1%の割合で減少するといわれています(30~40代で、若いときの1~2割も筋肉量が減ることに!)。
ですので、だいたい50代くらいまでは筋トレをして筋肉量を増やし、代謝率(エネルギーを消費する割合)も上がるようにして、肥満を予防・解消するようにします。
(必要に応じて食事管理や、有酸素運動を取り入れたりします)
60代以降も筋肉量を維持して筋力・体力を維持するため、筋トレが大事(とくに下半身を強化すると転倒の予防などの効果が期待できます)。
最初はごく軽めの負荷で反復回数を多くし、動作に慣れてきたら徐々に種目を増やして、負荷を上げていくようにすると効果的です。
食事量が減って栄養も不足しやすくなるので、体の組織をつくるたんぱく質(肉・魚・卵・乳製品・大豆製品など)を含め、さまざまな食品から栄養素を摂取することが大切になります。
まとめ
筋肉は放っておくと年齢とともに衰えてきますが、正しく運動すれば、かなりの長期間にわたって維持する(または増やす)ことができることが知られています。
(90代の方でも、筋トレを初めて筋力・筋肉量の増加が見られたという報告もあります)
体型改善のほか、早くから筋トレを始めることで「年齢を重ねるほど、若々しくなる」ライフスタイルも可能になってきます。