
インクラインダンベルフライは、大胸筋上部を鍛えるのに最適なエクササイズのひとつ。
この記事では、インクラインダンベルフライで強化される筋肉や、効果的に行うためのやり方・ポイントなどを解説していきます。
インクラインダンベルフライで鍛えられる部位
インクラインダンベルフライは、胸の大部分を覆う大胸筋の上部を鍛えるのに最適なエクササイズのひとつ。
大胸筋上部は、鎖骨の前端から胸骨・第1~6肋骨から始まり、上腕骨(肩に近い位置)に付着していて、フライ動作では胸筋の内側から、とくに外側・三角筋(肩の筋肉)前部の伸展と収縮(伸び縮み)が起こります。
フライ動作では肩関節において、内転と屈曲(横に開いた腕を、胸の正面・上方へ移動させる)が起き、腕を開いて大胸筋をストレッチして、腕が上体と交差するようになって引き締まるようになります。
インクラインダンベルフライのやり方
ベンチの角度を、30~45度にセットします。(個人の好みなどもありますが、一般的には45度以上になると肩の筋肉の関与がより大きくなります)
ベンチに仰向けになり、膝を90度に。足を肩幅か、それより少し広めに開いて床にしっかりとつけて安定させます。
ダンベルを左右の手に握って腕を伸ばし、手のひらを内側へ向けて構えます。肘はわずかに曲げておきます。
息を吸って、腕を外側へ下ろしていきます。肘は動作全体を通してやや曲げた状態に保ちます。
上腕をほぼ肩の高さか、それよりもやや低い位置に保ち、胸・肩にストレッチ感を得たら、動作を切り替えて、息を吐きながらダンベルを挙げていきます。
(「丸太を抱える」ようなイメージで行うと、可動域全体を通して正しいフォームを維持しやすくなります)
トップポジションで胸筋を絞り込むようにして力を入れ、繰り返します。
インクラインダンベルフライで効果を上げるポイント
フライ系のエクササイズでは、使われる筋肉(大胸筋)がテコの作用を強く受けるので、重量を重くしすぎなくても、筋肉に十分な負荷をかけることができます。
動作中は肘をやや曲げた状態を保ち、腕を下ろした位置でも90度まで曲げないこと。(肘の曲げ伸ばしが加わると、上腕三頭筋=上腕裏側部分の関与が大きくなり、ベンチプレスと同じ状態になります)
肩関節は、通常の可動域を超えないように注意。腕を肩よりもずっと低い位置へ下ろすと、関節や筋、腱に過剰なストレスがかかる場合があります。
胸部の筋肉をより強く収縮させるには、トップポジションで腕をできるだけ高く上げ、両腕を胸の上で近づけるようにします。
まとめ:回数やセット数、メニューの組み方など
・インクラインダンベルフライは、大胸筋上部の外側・内側を鍛えるのに最適なエクササイズのひとつ
・ベンチを30~45度にセットして、腕はほぼまっすぐ(わずかに肘を曲げる程度)に保ち、「丸太を抱える」ようなイメージで、胸の前で開閉する
・フライ系のエクササイズでは、大胸筋がテコの原理を強く受けるので、重量を重くしすぎなくても十分な負荷をかけることができる
フライ系のエクササイズは8~12回(あるいはそれより多く)×3セット前後を目安に、筋力・筋肉量ををつけるプレス系のあとに行うのが一般的。
(ただし上級者向けのテクニックで、ベンチプレスだと先に三角筋=肩や上腕三頭筋が疲労してしまうという場合に、順序を入れ替えて先にある程度、胸筋を刺激しておくというやり方もあります)