
炭水化物を減らし、脂質を摂ってやせるというケトジェニックダイエット法。
この記事では現在、注目を集めているケトジェニックダイエットとはどんな方法か、長所や短所、どんな人に勧められると考えられるのかを解説していきます。
ケトジェニックダイエットとは
ケトジェニックダイエットは、炭水化物の摂取量を減らして1日の総摂取エネルギーの10%以下に抑え、そのぶん脂質の摂取量を大幅に増やすダイエット法です。
そのため、体を動かすエネルギー源となるのはグルコース(分解され、体内に貯蔵された炭水化物)ではなく、脂質が使われることになります。
炭水化物の摂取量を減らし、グルコースが欠乏すると、脳からケトン体が放出されます。
ケトン体は糖が不足したとき、糖に変わって脳のエネルギー源として使える物質で、てんかんの発作や、糖の不足による脳の働きの低下を抑えることができるとされています。
ケトジェニックダイエットの良い点
短期的には、ケトジェニックダイエットは効果的な方法とされています。
過体重の人を対象にした研究では、炭水化物の量を減らし、脂質の摂取量を増やすことによって、減量やインスリン抵抗性の改善、血圧の低下、コレステロール値の改善や、糖尿病の予防の効果も期待されるとされています(医療目的の場合は、専門医の指示に従って行う必要があります)。
そして筋肉を維持しながら体脂肪を減らす効果も上げ、また脂質を多く摂っているので、摂取カロリーを制限するダイエット法に比べると、空腹感におそわれにくいといわれています。
ケトジェニックダイエットの悪い点
脂質はエネルギー量がタンパク質・炭水化物の2倍以上(脂質=1gにつき9kcal、タンパク質・炭水化物=4kcal)になるので、エネルギーの摂りすぎにならないよう注意が必要になります。
また、脂質の摂取源にも注意を払う必要があります。
動物性食品(肉や乳製品など)に含まれる脂質には飽和脂肪酸が多く、摂りすぎは血管のつまりなどを引き起こす恐れがあります。
また、脂質を主なエネルギー源とすると、パフォーマンス(有酸素能力や筋力発揮)の能力が低下することが示されています。
さらに、長期に渡って極度に炭水化物の摂取を制限していると、寿命を短くするという説もあります(果物や野菜の摂取が減るためと考えられています)。
まとめ:ケトジェニックダイエットが勧められる人
ケトジェニックダイエットは、1日の炭水化物の総摂取量を10%以下に抑え、そのぶん脂質の摂取量を大幅に増やしてエネルギー源にするダイエット法です。
過体重の人が短期間に区切って行うのであれば、体脂肪を落とす効果が期待されます。
ただし、筋肉をつけたい人や運動選手(とくにマラソンなど持久系の競技)の場合は、パフォーマンスの低下を引き起こすマイナス面も考えられます。

