
OECD(経済協力開発機構)の調べによると、2021年度の調査で日本は先進国の中で最も睡眠時間が短い(平均7時間22分)と報じられました。
(平均は8時間28分。最も長い国が南アフリカで9時間13分)
厚生労働省の国民健康・栄養調査によると、1日の平均睡眠時間が6時間未満の割合は、男性が37,5%、女性は40,6%となっています。
睡眠が不足すると、どのような問題が出てくるのでしょうか?また、その対策は?
この記事では、睡眠不足のデメリット・良い睡眠をとるための対処法・よく眠れないときはどうすればいいかをご紹介します。
睡眠不足のデメリット
●睡眠時間が6時間以下の場合、7時間以上の人と比べると、さまざまな病気(ガン・脳卒中・心筋梗塞・高血圧・糖尿病・風邪など)のリスクが上がる、また死亡率も高くなるという統計があります。
そのときは大丈夫と思っていても、それが10~20年続くと、後に生活習慣病の一因とあらわれてくるといいます。
●睡眠時間を削ると、脳のパフォーマンス(集中力・注意力・判断力・実行機能・記憶力・気分・感情など)の、ほぼすべてが劇的に下がってきます。
(6時間弱の睡眠を2週間続けると、認知機能は2日間徹夜したのと同レベルになるとされています)。
●睡眠時間が短くなると摂取カロリーが増え、太りやすくなる傾向がでてきます。
(睡眠が不足すると、食欲増進ホルモンであるグレリンが増え、食欲抑制ホルモンであるレプチンが減ります。
睡眠が短い状態が続くと、体は危険を感じ、本能的にエネルギーを蓄えようとします)
良い睡眠をとるための対策
眠りやすくなるための基本的な対策は、
①毎朝、同じ時間に起きて
②日光を浴びること
人間の体内には、ホルモンの分泌量などを周期的に変化させる「体内時計」と呼ばれる仕組みがあります。
体内時計は24時間よりわずかに長いため、放っておくと毎日少しずつ後ろへずれていきます。
このずれを修正しているのが太陽の光です。朝、日光を浴びることにより体内時計がリセットされ、そこから15時間後くらいに眠気が起こる仕組みになっています。
これにより体内時計が整い、夜に決まった時間に眠くなってきて、朝に目覚めが良くなることが見込めます。
体内時計の乱れを整えるには、(仕事が休みの日も含めて)朝にできるだけ決まった時刻に起床することがすすめられます。
また、日光を浴びることでセロトニン(脳内のホルモンの一種)の分泌が増え、それにより興奮を抑えて幸せな気分を感じやすくなる効果も期待できます。
よく眠れないときは

眠れない日があっても神経質になりすぎず、対処法として仕事や読書をしたり、適度に運動しリラックスすることがすすめられます。
起床時は脳内もリセットされ、心身の疲れもとれているので、軽い運動や仕事を進めていくのに適しています。
また就寝の1~2時間前くらい前は、読書や日記、リラックスするなどして静かな時間を過ごすと、心身が落ち着き、寝つきが良くなることが見込めます。
終わりに
適切な運動・食事・休養(睡眠)がとれていれば、ほとんどの疾病を予防することができ、また回復力も上がることが見込まれています。
(パーソナルトレーニングのお客様からも、運動を続けて大きな病気になることもなかった、というご感想をいただきました)
ここ数年、いろいろと自粛が求められてきましたが、読者の皆様が心身ともに健やかに過ごせるように願っています。