
広背筋は、背中の中央上部・わきの下から骨盤まで広がる体の中でもっとも面積の大きい筋肉。
ここが鍛えられていると、Vシェイプ(逆三角形)の上半身がつくられ、姿勢の改善や代謝のアップにも効果的です。
この記事では、広背筋の上部・中部・下部にそれぞれ重点をおいた筋トレのやり方などを解説していきます。
広背筋(背中の筋肉)の構造
広背筋は、胸椎から骨盤(背中・中央の中~下部)・骨盤上部・ろっ骨下部(わきの下の下部)から始まり、上腕骨の上部に付着している、かなり大きな筋肉になります。
広背筋上部の筋繊維はほぼ水平方向に走り、中部はやや上向きに、下部は垂直に近い方向で角度で上方に伸びています。
このことから、筋繊維の走る方向にしたがって上部と中部・下部をそれぞれ重点的に刺激するエクササイズを採り入れると、広背筋をバランス良く鍛えることができます。
さらに、さまざまなエクササイズを採り入れることで背面にある筋肉群、大円筋・小円筋(わきの下の上部)、棘下筋(肩甲骨中央)、僧帽筋・菱形筋(背中の上部中央)、脊柱起立筋(下背部)などもあわせて鍛えられます。
広背筋上部・下部の鍛え方
広背筋の上部は、背中の「翼」と呼ばれる広がりをつくっている部分になります。
肩幅とウエストの差を強調し、上半身を「V字型」に見せる効果を持ちます。
上部の主な働きは、肩関節の内転(横に広げた腕を、体側に向かって下に下ろす)動作になります。
一方、中背部から下背部にかけての広背筋の下部に当たる部分は、下背部の筋肉の厚みをつくる役割を果たしています。
下部の主な働きは、肩関節の伸展(前に伸ばした腕を、後方へ引く)動作になります。
広背筋上部・下部の筋トレメニュー
広背筋上部を主に使うエクササイズでは、スタートポジションでは肘を上げ、横に張り出した状態になります。
一般的には、手の幅を広げたワイドグリップで行うチンニング(懸垂運動)やラットプルダウンがあります。
広背筋下部を使うエクササイズでは、スタートポジションでは腕は前方にきて、手の幅は肩幅かそれよりさらに狭くなっています。
ナローグリップで行うチンニングやプルダウン、またバーベル・ダンベル・マシンで行うロウ動作も広背筋下部を成長させる基本種目になります。
(この他、ワイドグリップラットプルダウンで体を後ろに反らせ、胸より腹部のほうまで引いてくると上部から下部へ刺激が移ります。
また、プルオーバーも広背筋下部を発達させるエクササイズになります)
まとめ
・広背筋は、背中中央の上~下部・骨盤・わきの下の下部から上腕骨上部に付着する面積の大きな筋肉
・広背筋をバランス良く鍛えるには、上~下部の働きにあったエクササイズを選ぶと効果的
・広背筋上部は腕を広げて上方から下方に引くプルダウン系の種目、下部は手幅を狭くしたプルダウン系の種目やロウ系の種目で重点的に刺激することができる
広背筋は基本的なエクササイズに、手のポジションやグリップ幅といったわずかな変更を加えることで、重点をおく部分をさまざまに変えることができます。
それによって筋肉に異なる刺激を与え、よりバランス良く、効果的に発達させていくことができます。