
筋肉をつけて体型を良くするための筋トレは、単に重いウエイトを持ち上げればいいというわけではありません。
フォームを犠牲にしたり、挙げたウエイトを一気に床に叩き落とすようなやり方ではケガをしたり、筋肉に適切な負荷をかけることができず成果も頭打ちになってしまいます。
ボディメイクのための筋トレには効果を上げる原則が数多くありますが、この記事では初心者から上級者まで役立つセットの組み方とピラミッド法の進め方について解説していきます。
セットシステム・初期の筋トレは1種目1セット
ボディビルダーも初期の時代(1960年代以前の頃)は、1種目のエクササイズについて1セットだけ行い、次のエクササイズへ移行する方法でトレーニングをしていたそうです。
(セット間の休憩が長いことを除けば、サーキット法に似たやり方といえます)
初心者の場合は、やや軽めの重量で反復回数を多く(15~20回程度)して1~2セット行うことでフォームを身につけ、筋持久力をつけていくことができます。
そうして動作やトレーニングに慣れてきたら、1種目のエクササイズを数セット行い、それから次のエクササイズへ移行する方法が一般的です。
セット数は何セットがよい?
1種目について複数セットを行う方がより完全に筋肉を働かせ、筋肉を強くパンプさせる(体液などが充満し、筋肉を張った状態にする)ことができます。
研究でも1種目につき(1セットでもある程度の効果はありますが)、複数セットを行った方が筋力の向上が大きく、また消費カロリーも多くなることが知られています。
ただし、セット数も多すぎれば逆効果になる可能性があります。
どのくらいのセット数が適切かは筋力やトレーニングの経験、前回のトレーニングから完全に回復しているかなどにより多少の差が出てきます。
中~上級者向けのガイドラインとしては、軽めのウォーミングアップセットに加えて1種目につき2~4セット、部位ごとの合計が大きな筋肉では12~16セット、小さな筋肉では9~12セット程度が一つの目安となります。
ピラミッド法のやり方
ボディビルダーのほとんどが、基本種目でピラミッド式にウエイトを増やし、複数セットを行う方法を用いています。
ピラミッド法のやり方は、例えばベンチプレス(ベンチに仰向けになって胸の上でウエイトを挙げる、胸筋のエクササイズ)の場合は、軽いウエイトで2~3セットのウォームアップセットを行ってから、高重量のメインセットに入ります。
まずバーのみで15~20回反復し、次に40kgで10~12回、60kgで8~10回、80kgで6~8回といった具合で重量を上げ(回数は反比例して減らしていくのが一般的です)、メインセットで2~3セット繰り返します。
(応用として、ここから2割程度ウエイトを落としてさらに繰り返していく逆ピラミッド法⦅ディセンディングセット法、またはドロップセット法とも呼ばれています⦆もあります)
まとめ:ピラミッド法の注意点
筋肉はアメのようなもので、冷たくなっていると折れやすく(傷つきやすく)なっていますが、温まっていると伸びやすくケガもしづらくなります。
ピラミッド法は、対象の部位の筋肉を温め柔軟性を増していき、安全に高重量を扱う効果的な方法になります。
注意点は、軽いウエイトを扱っているウォーミングアップセットでは限界まで追いこまないこと。
高重量を扱うセットまで余力を残しておき、メインセットで最大の筋力を発揮する(限界か、その近くまで反復して追い込む)ようにします。
また、ピラミッド法では重量そのものより、限界に達する回数を目安にしたほうがよいです。(部位にもよりますが、6~10回の範囲が目安です)
10回以上繰り返せて余裕がある場合は重量を増やし、反対に2~3回しか繰り返せずコントロールが効かないようであれば重量を少し軽くして行うようにします。