
「40代・50代以降になったら、筋肉はつきませんよね…?」筋肉は、正しくトレーニングを行えば新陳代謝がある限り(つまり、生きている限り)増やしていくことができます。
この記事では、40代・50代からの筋トレで期待される効果やトレーニングの注意点を解説していきます。
筋トレは老若男女できる運動
↓ラットプルダウン(背中のエクササイズ)を行う、アーノルド・シュワルツェネッガーの動画(27歳の頃と72歳の現在)。
年齢が進むにつれ、体の中ではすでにいろいろな変化が起こってきています。
男性ではホルモンのレベルの低下、女性では更年期障害や骨粗しょう症などが問題として起こりやすくなってきます。
腱が弱くなり、コラーゲンの強度が失われ、関節が摩耗して痛みが生じてくる場合もあります。
なかでもとくに、成人以降もっとも大きな問題に筋肉組織が失われていくことが挙げられます。
(40代以降になると、平均的な人で年に1%の割合で筋肉が失われていくといわれます)
年数を重ねて筋力・筋肉量が減少すると、代謝(エネルギーを消費する割合)が落ち、太りやすく疲れやすい体になってきます。
ですが、活動的な生活習慣(定期的な運動や適切な栄養の摂取など)を維持している人は、長期に渡って筋肉量を維持し、老化を抑え、若返っていくことも可能になります。
トレーニングの注意点
・ウォーミングアップを忘れない
とくに年齢が高くなってくると、腱が硬くなり、関節の可動域も低下してきます。
筋肉や腱は冷たくなっているとこわばって傷つきやすくなりますが、十分に温めておけば、柔らかくなって柔軟性が増してきます。
重いウェイトを扱う前に、ごく軽めの重量で15~20回程度×2~3セット程度のウォーミングアップのセットを行い、メインのセットを行うようにします。
・バランスを考慮する
ジムが初めての方は、お腹周りなど目につく部位の筋トレに偏りがち。
ですが、長期的にみると脚・胸・背中など、各部位をバランス良く鍛えていった方が体型・姿勢が良くなり、代謝も上がって太りづらくなる体がつくれます。
・正しい動作で行う
重すぎるウェイトを、反動を使って挙げるのは避けること。
関節への負担を軽減するため、(8~12回、反復が可能な)中程度の重さで、とくに下ろす際にゆっくりとした動作で行うようにします。
・ストレッチも忘れずに
筋肉は使いっぱなしにすると、徐々に疲労が蓄積されてきます。
筋トレの後は、使った筋肉を20~30秒伸ばすストレッチも加えると柔軟性が増し、呼吸や神経系も落ちつかせることができます。
食事のポイント
・たんぱく質を十分に摂る
たんぱく質は、筋肉など体の組織をつくる基本的な栄養素。
1日で体重1kgあたり少なくとも1g以上(運動を行っている人は1.6g以上)は摂りたいところ。
食事毎に卵・脂質の少ない肉・魚・乳製品・大豆製品などを含め、必要なたんぱく質量を維持するようにします。
・脂質の摂取量を減らす
たんぱく質を増やす一方、そこに含まれる脂質が多くなり過ぎないように注意(理想は、1日に体重1kgあたり1g程度。肉類などに偏りすぎず、魚などから健康的な脂質を摂取するようにします)
・総摂取エネルギーを減らす(または有酸素運動を取り入れる)
調理法も揚げるより焼く、茹でるより蒸す、電子レンジを活用するなどで余分なエネルギを減らすことができます。
・水をたくさん飲む
年齢を重ねると、のどの渇きを感じるのが遅くなっています。
のどの渇きを感じたときには、すでに不足している可能性があるので、その前に水をすこしずつ飲むようにします。
ビタミン・ミネラルも忘れずに
・葉酸など、ビタミンB群は代謝を助け、免疫機能を維持し、血管を健康に保つ効果が期待できます。
また、ビタミンEやCは抗酸化作用をを持ち、体を老化から守る効果が期待できます。
(葉酸を多くを含む食品には、レバー・ほうれん草・バナナ・柑橘類など。ビタミンEはナッツ・アボガドなど。ビタミンCはイチゴ・ピーマン・ブロッコリー・ジャガイモなど)
・カルシウム・マグネシウム・カリウムは骨をつくり、強度を保つのに役立ちます。
(カルシウムを多く含む食品はアーモンド・チーズ・豆腐・鮭など。マグネシウムはエビ・ゴマ・緑の葉もの野菜、カリウムはレーズンなど)
・グルコサミンはアミノ酸(たんぱく質が分解されたもの)の一種で、関節の痛みを緩和する効果が期待されます。
(グルコサミンが多く含まれる食品には、カニ・エビ・肉類など)
これらを含むマルチビタミン・ミネラルやホエイプロテインなど、サプリメント(栄養補助食品)を利用するのも、食事で不足しがちな栄養素を補うのに役立ちます。
