
「長時間、パソコンやスマホを扱うので、姿勢が悪くなって肩こりがひどい…」ということはありませんか?
一般的な成人の頭の重さは約4~6kgもあり、うつむくだけで、この数倍の重さが首や背中にかかることになります。
そのため何もしないでいると、だんだんと猫背になっていき、肩こりなどの要因になります。
予防・改善するには背中の筋力・筋肉量をアップすることが効果的です。
床方向からダンベルを引くダンベルロウは、背中の複数の筋肉を鍛えることができます。
この記事を読むとダンベルロウの基本動作を理解し、男性なら立体的な逆三角形の背中、女性なら基礎代謝(エネルギーを消費する割合)を増やして引き締まった体をつくることができるようになります。
ダンベルロウの動作
ダンベルロウは上体を前傾し、肩・腕を前(床方向)から後(天井方向)へ引くことによって、
・肩関節の伸展、水平外転(肩・腕を後方に振る動作)
・肩甲骨の内転(肩甲骨を背中側で引き寄せる動作)
が起きることになります。
ダンベルロウで鍛えられる主な筋肉
ダンベルロウは、
肩関節の伸展および水平外転の動作により、広背筋(背中・左右上部から下半分、わきの下の筋肉)、大円筋(背中・左右上部)、三角筋後部(肩をおおう3つの筋頭のうちの後部)が鍛えられます。
また、肩甲骨の内転の動作により、僧帽筋(上背部の中央)、菱形筋(僧帽筋の深部)が鍛えられます。
さらに補助的に、肘関節の屈曲(曲げる)動作により、上腕二頭筋(力こぶ)も刺激されます。
ダンベルロウのフォームとやり方
①ベンチに(鍛える側と反対の)片ヒザと手を乗せ、上体が床と水平近くになるよう前傾します(両肩と骨盤が、床と平行になるように。ヒザを乗せずベンチやダンベルラックに手だけついてもよいです)。
②背中の自然なアーチを保ち、足を横に開いて揃えるか、(ダンベルを持つ側の足を)後方に置きます。
③ダンベルを、小指側からしっかりと握ります。
④広背筋は、骨盤から上腕骨についているのでこの2点を近づけるように、肩の下に下ろしたダンベルを、わきを閉めて腰のほうへ引いていきます(これにより、広背筋の下部が刺激されます)。
⑤ゆっくりと、ダンベルを肩の下へ下ろして広背筋をストレッチさせ、繰り返します。
*わきをやや開いてダンベルをみぞおちの横に引き、背中側で肩甲骨を寄せるようにすると、僧帽筋や広背筋の上部・外側に刺激が移ります。この場合、扱う重量はやや軽くなります。
ダンベルロウの回数とセット数の目安
初心者は軽めの重さで10~15回から。慣れてきたら、やや重量を上げて8~12回を2~4セットを目安に行います。
広背筋は大きな筋肉なので、慣れてくると重い重量も扱えるようになってきます。
ダンベルロウを行う際のまとめ
・鍛える側と反対の手をベンチなどにつき、上体を前傾して固定すること。
・上体は自然なアーチを保ち、背中の筋肉(広背筋・僧帽筋)を使って肩・腕を後方へ引いていくこと。
・わきを閉めて、ダンベルを腰のほうへ引いていくと広背筋の下部が、わきを開いてみぞおちの横に引くと、僧帽筋が主に刺激されます。
ダンベルロウで背中の筋肉を鍛えることで姿勢も良くなり、猫背や肩こりの予防・改善などの効果も期待できます。