
腹筋の基本エクササイズのひとつである、シットアップ。
腹筋に効果的なエクササイズですが、肩を上げて腹部を引き締めるクランチと違い、やや強度も高くなり、やり方が誤っていると腰を痛めることもあります。
この記事では、シットアップで鍛えられる筋肉と正しいやり方、効果を上げるポイントなどを解説していきます。
シットアップで鍛えられる筋肉
シットアップでは腹直筋(腹筋、腹部正面)を中心に、外腹斜筋・内腹斜筋(わき腹)、股関節屈筋群(大腿直筋、腸腰筋、恥骨筋など太ももの付け根の筋肉)が関与しています。
シットアップは、腹筋上部がコンセントリックに収縮して(筋肉が短くなって、引き締まり)体幹部を屈曲させ、上体が下半身に近づきます。
同時に、腹筋の下部は下腹部を、外腹斜筋・内腹斜筋は体幹部を安定させるのにそれぞれ働きます。
また、股関節屈筋群は骨盤を安定させるのに補助的に働きます。
シットアップの正しいやり方
床に仰向けになって膝を90度に曲げるか、腹筋の筋力があればベンチで頭側を10~40度程度下げて、足をパッドに固定します。
シットアップが初めての場合は、腕を体側におくか、胸の前で組みます。(腕を頭上のほうへ挙げるほど負荷が高くなります)
息を吐いて腹筋に力を入れ、腰の角度が90度近くになるまで上体を丸めるようにして起こしていきます。
トップポジションでいったん静止し、続けてゆっくりと上体を床(またはベンチ)との間隔の中間(45度くらい)まで下ろしていきます。
(動作中、腹筋のテンション=緊張状態を維持できるように、肩と頭を床につけないようにして繰り返します)
視線はスタートポジションでは天井に向けておき、上体を起こしたトップポジションでは、胸の前で組んだ腕のほうを見るようにします。
(↓シットアップで上体が挙がらない場合は、最初はクランチがおすすめです。シットアップとの違いは、クランチでは肩をわずかに上げ、腹直筋を引き締めるようにします)

シットアップで効果を上げるポイント
シットアップを始めて採り入れるときは床で、慣れてきたらベンチの角度をわずかに低くセットして行います。
そして、腹筋が強くなるにしたがい、徐々に傾斜角度を大きくしていきます。
(ただし、血圧が高めの方は下げすぎないように注意が必要です)
手を頭の横にあげると負荷が強めることができます(反対にベンチの足側を低くしたり、体側におくと負荷を小さくすることができます)
上体を挙げる際は、頭と肩を丸めるようにして起こしていきます。また、基本的に上体を挙げるときに息を吐き、下ろすときに吸うようにします。
こうすると腹筋上部を最大限に収縮させることができ、また脊椎を安定させ、ケガを防止するのに役立ちます。
シットアップは最初は12~15回×3セット前後を目安に、腹部の引き締めが目的の場合は20~30回程度まで回数を増やすことを目標にします。
まとめ:メニューの採り入れ方
・シットアップで主に鍛えられる筋肉は腹直筋(腹部正面)上部、補助的に下部やわき腹、腸腰筋など股関節周辺の筋肉が働く
・シットアップは床に仰向けになって、太ももと骨盤が90度くらいになるまで挙げ、床と45度くらいまで下ろしていきます(動作中は、腹筋の緊張を抜かないようにします)
・シットアップの強度を上げるには、手を頭の横へ上げるかベンチの角度を急にする。最初は12~15回×3セット前後を目安に、腹部を引き締めたい場合は20~30回を目標に回数を増やす。
腹筋は、他の部位の筋トレでも補助的に働いているので、先に疲労しないようにトレーニングの最後に採り入れて追い込んでいくと、効率良く行うことができます。