
筋トレの初級者と上級者の違いは、外見(体型)に現れます。
その他にもトレーニングプログラムを細かく見てみると、(扱える重量だけでなく)カギとなる内容に違いがあることがわかります。
今回は全身法と分割法の違い、分割法の考え方、分け方や組み方、効果を上げるコツなどを解説していきます。
全身法と分割法の違い
ボディメイクのための筋トレでは、脚・胸・背中・肩・腕・腹筋など、各部位の筋肉をバランス良く鍛えていくのが理想的。
全身の筋肉をまんべんなく鍛えていくことで体型・姿勢が良くなり、安静時も代謝(エネルギーを消費する割合)が上がって太りづらい体になり、体重コントロールも行いやすくなります。
初心者の場合は、各部位の基本的なエクササイズを1種目ずつ、1回のトレーニングで鍛える全身法が効果的です。
全身法で休息日も設けて週1~3回トレーニングを繰り返すことによって、基本となるエクササイズ動作を身につけ、筋力も効率よくアップして体の土台となるアウトライン(輪郭)をつくることが可能になります。
スケジュールの都合でトレーニングが週1~2回、あるいは体脂肪の減少が目的の場合は、そのまま全身法で継続してもよいです。(ときおり種目を入れ替えて行うと全体的な筋力もつき、体型もさらに良くなってきます)
トレーニング日をもう少しとれる、また一度に全身を鍛えると後半に力が出なくなってきたという場合は、分けて行う分割法が効果を発揮します。
分割法の考え方
例えば全身法で背中を鍛える場合、1~2種目行って他の部位のエクササイズに移ることになります。
ただし、背中のトレーニングには最も大きな広背筋(わきの下にある筋肉)のほか、肩甲骨周辺の僧帽筋中部や菱形筋、下背部の脊柱起立筋のエクササイズもあります。
(この他にも背面の筋肉には、首の付け根の僧帽筋上部、肩の後ろ側の三角筋後部、さらに下半身だとヒップの大殿筋や太もも裏側のハムストリングス、ふくらはぎの筋肉群があります)
上級者(ボディビルダーが、このレベルになります)の場合、ひとつの部位に3~5種目(もしくはそれ以上)のエクササイズを行うことが多いので、1回のトレーニングですべてを行うのは難しくなります。
また始めて間もない方には意外に思われますが、筋トレは上級者になるほど(扱うウエイトが重くなるので)より休息日も必要になってきます。
このためトレーニングを2分割・3分割・4分割・5分割して、トレーニングスケジュールを回して各部位を週1~2回ずつ鍛えるようにするのが一般的です。
▼各部位の筋トレメニュー一覧はこちら

分割法の組み方と効果を上げるコツ

分割法のメニューの組み方は、たくさんのやり方が考えられます。
例えば、2分割だと①上半身、②下半身。
3分割だと①押す筋群:胸・肩・上腕三頭筋(二の腕)、②脚、③引く筋群:背中・上腕二頭筋(力こぶ)。
4分割だと①胸・上腕二頭筋、②脚、③肩、上腕三頭筋、④背中など。
以下に分割法で効果を上げるためのポイントを上げてみます。
・発達が遅れている部位がある場合、その部位を最もエネルギーのあるトレーニング初日に鍛えること
・基本的に鍛える順番は大きな筋肉(脚・胸・背中など)から、小さな筋肉(肩、腕など)に移行していくこと。(先に腕などが疲労していると、大きな筋肉を十分な負荷で鍛えることが難しくなるため)
・それぞれの部位の筋肉を、さまざまな角度から刺激できるようにエクササイズを選択すること。
・スクワット、ベンチプレス、ロウ、デッドリフトなどの多関節種目(複数の関節が動作に関与する種目)を最初に取り入れること。
ひとつのエクササイズで複数の筋肉が鍛えられるため、基礎となる筋力・筋肉をつけるのに効果的です。(ただし上級者向けに、先に特定の筋肉を疲労させて、その後に多関節種目を取り入れる応用法もあります)
脚のトレーニングで3~4種目行う場合だと、まずスクワットやレッグプレスなどの多関節種目から行い、その後レッグエクステンションやレッグカールなどの単関節種目(ヒザ関節のみが動く種目)を取り入れるというのが一般的です。
・腹筋やカーフ(ふくらはぎ)などの種目も後半に組み入れること。どのくらい行うかは発達の具合や個人の好みもありますが、細部まで鍛えられていると体の完成度がより増してきます。
▼分割法のメニュー例はこちらも参照

まとめ:目的やスケジュールに合わせて効果を上げる
基本的なエクササイズで1日に全身を鍛える全身法は、初心者や週1~2回ペースでトレーニングを行う場合に有効。
ボディビルダーのように細部の筋肉まで鍛える場合は、細かく分けた分割法が効果的です。
どのくらいのペースで鍛えたらよいかは、個々のスケジュールや前回のトレーニングからの回復の度合いによって決めていきます。
とくに初心者の方の場合は、いきなり上級者が行っているプログラムをそのまま真似しても、種目が多すぎて筋力がつきづらく、また疲労が蓄積する原因となります。
まず基本となる種目からスタートし、体力がつくにしたがって種目や負荷を増やしたり、またエクササイズに変化を加えたりしていくと筋肉の発達を促すことができ、メリハリのついた引き締まった体をつくることができます。