
「ストレッチは準備運動に行うのがいい?」「筋トレとストレッチの順番は?」
この記事では、ケガに悩まされることなくトレーニングを続けるコツを、ベテラントレーナーが解説していきます。
静的ストレッチは筋トレの後が効果的
一般的なスタティックストレッチ(20~30秒間、反動を加えず筋肉など軟部組織を伸ばしていくストレッチ)は、基本的にはトレーニングの後に行うと、より安全に行え効果的。
体が温まったタイミングで行うと筋肉も伸びやすくなっているので、柔軟性を養い、関節の可動域を広げていくことができます。
(運動前に行う場合は、1~2セット軽めに行ってから、徐々に深く伸ばしていくと良いです)
静的なストレッチは、行った直後にわずかに筋力が落ちるともいわれているので、スポーツや筋トレの前は動きを伴うダイナミックストレッチが勧められます。
筋トレの場合は、メインセットの前にごく軽めのウェイトで高回数(15~20回程度)行うセットを採り入れ、徐々にウェイトを重くしていくと、心身ともに適切にトレーニングするための準備を整えることができます。
必要以上の高重量は避けること
目的が挙上重量(筋力)のアップである場合は別として、ボディメイクを行うことが目的であれば、1セット当たり8~12回程度繰り返すことができる重量でも、筋肉をつけていくことはできます。
(ケガのリスクを軽減する効果も高くなります)
進歩していくためには、徐々に負荷を重くしていく必要はありますが、ケガを招く危険性が高いほど無理なウェイトを使わなくても、筋肉の成長を促すことはできます。
予備疲労法を活用する
重いウェイトで行う複合種目(スクワットなど複数の関節が動き、より多くの筋肉が動員されるエクササイズ)は、筋力・筋肉をつけていくための基本種目になります。
ただし、筋力が強くなってかなりの高重量が扱えるようになってくると、関節への負担も大きくなってきます。
その場合、上級者向けのテクニックとして「予備疲労法」を活用するといったやり方があります。
例えば脚のトレーニングで、スクワットで扱えるウェイトが重くなり、脚より先に殿筋(ヒップ)や下背部が先に疲労する(または、関節に負担がかかる)場合には、先にレッグエクステンションのような単関節種目を行います。
レッグエクステンションの動作は膝関節の動き(曲げ伸ばし)のみで、大腿四頭筋(太ももの表側)に負荷が集中するので、先にこの部位を疲労させておくと、スクワットで極端に重いウェイトを扱わなくても脚を追い込むことができます。
クールダウンに効果的な静的ストレッチ
トレーニング後のストレッチは体が温まっているので筋肉も伸びやすく、柔軟性を高め、関節可動範囲を広げていく効果があります。
また、徐々に呼吸も整えて筋肉とともに神経系もリラックスさせたり、硬くなった部位を伸ばすことで腰痛や肩こりを予防・改善するといった効果も期待できます。
専門のトレーナーの補助を受けて行うパートナーストレッチでは、筋肉の起始部と停止部(端と端)を遠ざけるようにして伸ばすことで、さらに柔軟性を高めて血流を促し、筋肉により多くの栄養素を送ることができます。
トレーニングによって筋肉に刺激(微細な損傷)を加え、その後に体をケアし、十分な栄養と睡眠をとることによって筋肉の成長を促し、メリハリのついた体をつくって体を引き締めていくことができます。