
ヒジを伸ばした状態で肩・腕を引いていくストレートアームラットプルダウンは、腕の力を関与させず、背中をアイソレートして(集中して)鍛える効果が高い応用種目になります。
この記事では、ストレートアームラットプルダウンで鍛えられる部位・正しいやり方・効果を上げるやり方のコツを解説して行きます。
ストレートアームラットプルダウンで鍛えられる部位
肩関節を伸展する(頭上に伸ばした腕を、脚のほうへ引く)動作で、広背筋(背中、わきの下の筋肉)全体(とくに下部)・大円筋(背中側の腕の付け根)・大胸筋下部が鍛えられます。
また、背中側で肩甲骨を引き寄せる動作で、菱形筋(背中の上部中央、深部)なども補助的に働きます。
ストレートアームラットプルダウンの正しいやり方
ケーブルマシンの滑車を上方にセットし、30~50cm程度マシンから離れて立ち、バーを順手で肩幅くらいの広さで握ります。
腕と上体を垂直に対し15~20度の角度で前・上方へ伸ばし(ヒザを床についてもよいです)、ヒジ7は軽く曲げて動作中も一定に保つようにします。
息を吸って体幹部を安定させ、バーを太もも前面に向かって引き下ろしていきます。
肩を支点に大きな弧を描くように意識しながら、バーが腰からやや下の高さにくるまで動作を続けます。
バーを引き下ろしていくときも、体幹部の筋肉を使って上体は立てた姿勢を維持するようにします。
下ろし切ったところで1~2秒静止して、背中を引き締めるように力を入れます。
息を吐きながらゆっくりとバーを上方へ戻していきます。
スタートポジションでいったん静止して、繰り返します。
8~12回(あるいは、さらに高回数)を目安に、2~4セット程度繰り返すと効果的です。
ストレートアームラットプルダウンで効果を上げるコツ
スタート時は、腕を頭上に垂直から15~20度前方の位置まで上げるようにします。腕を上げる位置が低いと、広背筋で使われる部分が下部のみに限られてきます。
動作中、ヒジは軽く曲げた状態を維持します。ヒジの曲げ伸ばしが加わると通常のラットプルダウンの動作に近くなり、背中をアイソレートして(個別に)鍛える効果が半減するようになります。
上体は床と垂直から、少し前に傾けた姿勢を維持するようにします。大きく前傾すると動作は容易になりますが、背中にかかる負荷が軽くなっていきます。
ストレートアームラットプルダウンでは、軽めから中程度の重量を使って行います(とくに広背筋の仕上げの種目として取り入れると効果的です)。重すぎるとヒジが曲がってきて通常のラットプルダウンに近くなり、背中以外の筋肉も使われるようになります。
ロープハンドルなどを利用して手の幅や向きを変えて行うと、背中にまた違った刺激を加えることができます。
まとめ
ストレートアームラットプルダウンでは、背中の他のほとんどの種目と異なり、ヒジの曲げ伸ばしが加わらないので、背中に負荷を集中して鍛えることができます。
動作中は上体をやや前に倒し、ヒジは軽く曲げた姿勢をを保って、肩を支点に大きな弧を描くようにしてバーを頭上から太もも前面、腰より下にくるように引き寄せていきます。
ストレートアームラットプルダウンは、とくに背中のトレーニングの仕上げに取り入れると効率的。
重量は軽めから中程度で、十分にコントロールして動作が行えるように設定します。
8~12回(あるいは、さらに高回数)を目安に、2~4セット行うと効果的です。