
上腕二頭筋(上腕の表側・力こぶの筋肉)は、野球・テニス・バレーボール・水泳など肩をひねったり腕を伸ばす動作、また日常でも物を持ち上げたり、デスクワーク・家事などで腕を前に出して維持する際に働いています。
利用することが多い割に、疲労回復・リラクゼーションは見落とされやすい部位。
簡単なストレッチを続けるだけで筋肉の柔軟性が養われ、肩やヒジの周りの疲労・痛みを予防する効果が期待できます。
この記事では、上腕二頭筋の構造と働き・ストレッチのやり方・効果を上げるためのポイントをご紹介します。
上腕二頭筋の構造と働き

上腕二頭筋(上腕の表側、力こぶの筋肉)は、その名のとおり長頭・短頭(外側部分・内側部分)と2つの筋頭で構成されています。
長頭は、肩甲骨の関節上結節(じょうけっせつ)から始まり、ヒジから下の橈骨粗面(とうこつそめん)に付着しています。
短頭は、肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)先端から始まり、上腕二頭筋腱膜(けんまく)を通して前腕筋膜に付着しています。
上腕二頭筋(力こぶの筋肉)は、ヒジ関節を屈曲する(曲げる)・前腕を回外する(手のひらを自分のほうに向け、親指側を外側へ回す)・肩関節を屈曲する(主に長頭:腕を前方へ振る)・水平内転する(主に短頭:横に開いた腕を胸の前へ閉じる)働きがあります。
⦅ダンベルなどで行うカール(ヒジを曲げる、上腕二頭筋の筋トレ種目)の動作になります⦆
上腕二頭筋の深層や前腕部には、上腕筋・腕橈骨筋(わんとうこつきん)・肘筋(ちゅうきん)・回外筋(かいがいきん)などがあり、ヒジ関節の屈曲や前腕の回外動作を補助しています。
上腕二頭筋のストレッチのやり方

上腕二頭筋のストレッチの方法は、
・胸を張って背筋を伸ばし、腕を後方へ引きます。
・ヒジを伸ばして、腕をやや外側に。手のひらを上に向けて、前腕を小指側へ回していきます。
・手首を少し曲げると、さらに効果的です。
・応用として、ストレッチする側の手を壁につけ、上体を反対側へひねるやり方もあります。
片方の腕で15~30秒、1~3セット、反対の腕も同様にして繰り返します。
効果を上げるためのポイント
・肩が上がって、首をすくめないように注意。軽く背筋を伸ばして、肩甲骨は下制(下に下げて)・内転して(肩甲骨を背中側で寄せるようにして)行います。
・肩・ヒジ・手首の関節が痛い場合は、無理のない範囲で。
腕を後ろに引いて、無理のない範囲でヒジを伸ばし(柔らかい人は、反らせすぎないように)、ゆっくりと腕を挙げて前腕をひねるようにします。
終わりに
上腕二頭筋(上腕の表側・力こぶの筋肉)は、スポーツや日常で使用頻度が多い割に、リラクゼーションは見落とされな部位。
簡単なストレッチを継続するだけで柔軟性が養われ、肩やヒジ周辺の疲労回復の効果なども期待できます。
上腕二頭筋は、主にヒジを曲げる働きをするので、腕を後方へ引いてヒジを伸ばすようにするとストレッチ効果が得られます。
定期的にストレッチを行って、腕や肩周りをしなやかに保ち、日常を快適に過ごしましょう。