
腸腰筋群は、股関節前面の深層にある骨盤と大腿骨(太ももの骨)をつなぐ筋肉になります。
腸腰筋が硬く短くなると、股関節前面が詰まり、腰痛の一因となることも。
腸腰筋の柔軟性・関節の可動域が増してくると、背筋も伸びて姿勢が良くなり、歩行時も足が上がりやすくなって転倒防止やダイエットの効果なども期待できます。
この記事では、腸腰筋の構造と働き・ストレッチのやり方・効果を上げるためのポイントをご紹介します。
腸腰筋の構造と働き

腸腰筋群は、大腰筋・小腰筋・腸骨筋からなる股関節(太ももの付け根)前面の深層にある筋肉になります。
大腰筋は、浅頭(せんとう:第12胸椎~第4腰椎の椎体側面・椎間円板側面)・深頭(しんとう:全腰椎のろっ骨突起)から始まり、大腿骨の小転子に付着しています。
小腰筋は、第12胸椎および第1腰椎の椎体外側面から始まり、腸恥隆起(ちょうちりゅうき)と付近の筋膜に付着しています。
腸骨筋は、腸骨窩(ちょうこつか)および下前腸骨棘(かぜんちょうこつきょく)から始まり、大腿骨の小転子下方に付着しています。
腸腰筋は、主に股関節を屈曲する(太ももを前方へ持ち上げる)・外旋する(太ももを外側にひねる)働きがあります。
腸腰筋のストレッチのやり方

腸腰筋のストレッチの方法は、
・片ヒザ立ちになり、前足のヒザを約90度にします。
・両手を床についてバランスをとり、骨盤を後ろに傾け、体幹(腰)を丸めて前屈します。
・体を沈めていき、後ろ足の腸腰筋(股関節前面)を、ゆっくりと伸ばしていきます。
最初は無理のない程度に、15~30秒で1~3セット、少しずつ伸ばしていくと効果的です。
(余裕があれば、後ろに伸ばした足を内旋する⦅内側へ回す⦆とストレッチ刺激が高くなります)
効果を上げるポイント
・後ろ脚の太ももを後方へ引いて骨盤上部を後ろへ倒し、股関節前面を十分に伸ばせるポジションをとること(このとき、腰は反らせないように注意。腰を痛めやすくなります)。
・前足のヒザの角度が鋭角だと、骨盤が前傾しやすくなり、ストレッチ効果が半減します。90度から、余裕があればさらに広げて骨盤を後傾し、股関節前面を伸ばしてストレッチ感が得られるようにします。
・前足の股関節が詰まる感じがしたら、手の外側へ出しても良いです。
・応用として、上体を立てて前足側へ側屈(横へ倒す)・回旋する(ひねる)と、さらに大腰筋が伸びてきます(ただし、腰が痛い場合は無理をしないように)。
終わりに
腸腰筋(股関節前面の筋肉)が硬く詰まってくると、腰が丸くなり、痛める一因となります。
定期的に腸腰筋をストレッチすると、背筋も伸びて姿勢が良くなり、歩行時も足が上がりやすく楽になってきます。
歩きやすくなることで転倒の防止や、2次的にダイエット効果なども期待できます。