【ストレッチ】胸のストレッチのやり方と効果を上げるコツ

最近はパソコンやスマホなどにより、胸筋が硬くなっている(肩・上背部が丸くなって前方に出ている)方が多くみられます。

体の前面・後面のバランスが悪くなってくると、肩こりや猫背の要因になることも。

胸筋の柔軟性が養われると姿勢も良くなり、血行が促されて肩や首周りの疲労回復の効果も期待できます。

この記事では、胸筋の構造と働き・ストレッチのやり方・効果を上げるためのポイントをご紹介します。

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胸筋の構造と働き

大胸筋は、胸板を形成する大きな筋肉で、鎖骨部(上部)・胸郭部(中部)・腹部(下部)で筋肉の起始(中央・スタート点)が異なり、それにより作用する方向も変わってきます。

鎖骨部(上部)は、鎖骨の内側半分から始まり、上腕骨の大結節稜(だいけっせつりょう)に付着しています。

胸郭部(中部)は、胸骨前面・第2~6肋軟骨(ろくなんこつ)から始まり、上腕骨に付着しています。

腹部(下部)は、腹直筋鞘(ふくちょくきんしょう)の前葉から始まり、上腕骨に付着しています。

大胸筋は、主に肩関節の水平内転(横に広げた腕を、胸の前で閉じる動作)・内旋(上腕を内側にひねる動作)に働きます。

また、上部は屈曲(腕を前方へ上げる動作)、下部は内転(横に広げた腕を、体側の方向へ閉じる動作)に働きます。

小胸筋は、大胸筋の深部にある小さな筋で、肋骨から始まり、肩甲骨の烏口突起(うこうとっき)に付着しています。

小胸筋は、肩甲骨下制(かせい:肩甲骨を引き下げる動き)に働き、また運動時に胸郭(肋骨)を引き上げて呼吸を補助する役割も果たしています。

胸筋のストレッチのやり方

大胸筋は、主に肩関節を水平内転する(横に開いた腕を、丸太を抱えるようにして⦅←例えが古い?⦆胸の前で閉じる動作)になります。

大胸筋の筋トレのエクササイズであるフライが、これに当たります。

胸筋を伸ばすには筋肉の本来の働きと反対に、腕を後方へ引いていくと胸筋をストレッチすることができます。

ストレッチの方法は、

・片手を壁や柱などにつき、ヒジを軽く曲げます。

・ストレッチする側の足を後方へ引き、前後に足を開きます。

・上体をゆっくりと、ストレッチする側と反対の方向へひねっていきます。

フライ系のエクササイズでベンチの角度を変えると、胸筋の上・中・下部が鍛えられるように、ストレッチでも腕を引く方向により伸ばす部分に変化を加えることができます。

(ヒジを肩より低く下げて行うと胸筋上部、肩の横かやや下にすると中部、肩より高く上げて行うと下部を伸ばすことができます)

15~30秒、1~3セット行うと効果的です。同様に、反対側も繰り返します。

効果を上げるためのポイント

・動作中、骨盤(下半身)は上半身につられて動かないよう、固定して行うようにします。

・肩関節に痛みがある場合は、無理をしないように注意します。ヒジを曲げて負荷を軽くしたり、高さを変えて痛みが引き起こされない方向で、徐々に伸ばしていくようにします。

終わりに

近年は、長時間の家事やデスクワークにより、胸筋が硬くなって肩や上背部が丸くなった姿勢(猫背)になる方が多くみられます。

(日常の機械化により、今後もこの傾向は増えていくと思われます)

胸や肩前部の柔軟性が養われると、バランスが整って姿勢が良くなり、肩こりを予防するなどの効果も期待できます。

定期的にストレッチをする習慣を採り入れて、体をしなやかに、快適に保ちましょう。