
上腕三頭筋(上腕の裏側、二の腕の筋肉)は、上腕二頭筋(力こぶ)に比べて日常の使用頻度が少なく、そのため筋肉量・柔軟性が落ちて、たるみやすくなっている部位でもあります。
定期的にストレッチを採り入れると肩の周りの柔軟性も高まり、疲労回復の効果も期待できます。
この記事では、上腕三頭筋の構造と働き・ストレッチのやり方・効果を上げるためのポイントを解説していきます。
上腕三頭筋の構造と働き

上腕三頭筋(上腕の裏側、二の腕の筋肉)には、その名のとおり3つの筋頭があり、長頭・外側頭・内側頭で構成されています。
一番長い長頭は、肩甲骨の関節下結節(かけっせつ)から始まり、ヒジ関節下方の尺骨の肘頭(しゃっこつのちゅうとう)に付着しています。
(長頭は、外側頭と内側頭の間にあり、発達すると「馬の蹄⦅ひづめ⦆」を形作る筋肉になります)
外側頭は上腕骨上面・外側から、内側頭は上腕骨上面・内側から始まり、やはり尺骨の肘頭に付着しています。
上腕三頭筋は、主にヒジ関節の伸展(伸ばす動作)に働き、その他、腕を頭上に挙げた状態からの肩関節の内転(横から外側へ回す動作:長頭のみ)・伸展(腕を後方へ引く動作:長頭のみ)に働きます。
上腕三頭筋のストレッチのやり方

上腕三頭筋は、ヒジ関節を伸展する(伸ばす)働きがあるので、ストレッチする場合は反対にヒジを曲げて上腕を引くと効果的。
とくに腕を頭上で伸ばしたポジションで行うと、三頭筋の中でももっとも大きな筋頭である長頭にストレッチをかけることができます。
ストレッチの方法は、
・立位または座位で胸を張って背筋を伸ばし、ストレッチする側の腕を頭上へ挙げます。
・ストレッチする側の腕のヒジを曲げ、(余裕があれば)背骨に触れるようにします。
・ストレッチする側と反対の手でヒジをつかみ、引いていきます。
・肩関節の屈曲(後方へ引く)動作を強め、上腕三頭筋にストレッチをかけていきます。

・バリエーションとして壁やベンチ、床にストレッチする側のヒジをついて行うこともできます。
肩やヒジが痛くない範囲でゆっくりと、15~30秒、1~3セット伸ばしていくと効果的です。
効果を上げるためのポイント
・動作中は体幹部を安定させ、過度に腰を反らせたり、横へ倒さないようにします。
肩甲骨とヒジを遠ざけるようにして、上腕三頭筋に負荷が集中するようにします。
・余裕があればストレッチする側の手は、背骨かストレッチする側の肩に触れるようにして行います。
肩関節の屈曲が深くなると、それだけ上腕三頭筋にストレッチがかかります(ただし、肩やひじが痛くない範囲で。柔軟性が養われるのにしたがって、徐々に深く曲げていくようにします)。
終わりに
上腕三頭筋(上腕の裏側、二の腕)は、上腕二頭筋(力こぶ)に比べ日常で使われる頻度が少なく、たるみやすい部位。
定期的に上腕三頭筋のストレッチを採り入れておくと、肩周りの柔軟性も向上し、疲労回復などの効果も期待できます。
慣れてきたら胸や肩・上腕三頭筋の筋トレで、負荷をかけてヒジを伸ばすエクササイズを採り入れると、さらに引き締める効果を得ることができます。
エクササイズを日常化して、快適な毎日を過ごしていきましょう。