
アメリカでは生涯で腰の痛みを経験する人の割合は全人口の約80%、日本でもとくに40~60代で腰痛を抱える方が増加していて、2人に1人の割合で腰に不安を感じているといわれています。
日常レベルで蓄積する微細損傷(身体活動による、筋肉につく小さな傷)と、筋肉の支持能力(体を支える筋力・筋肉)・治癒能力(十分な栄養と睡眠などによる回復)の不足が重なると、腰を痛めたりする原因になることも。
普段から体幹部の筋力・柔軟性を養うことで、腰痛を予防する効果も期待できます。
この記事では、体幹部(背筋と腹筋)の構造と働き・自重で行える簡単なトレーニングを10種目、厳選してご紹介します。
背筋と腹筋の構造と働き

体幹とは肩甲帯から骨盤まで、首から上の部分と腕・脚を除いた胴体の部分を指します。
胴体をとおる脊柱(背骨)は、横から見るとS字型のカーブを描いています。これにより、直線になっている場合よりも約16倍くらいの強度になるといわれています。
そして背中側で頭蓋骨から骨盤まで伸びている、脊柱起立筋(いわゆる背筋)により背骨の周辺が支えられ、身体をまっすぐに立てる・上体をひねる・側方に倒すなどの動作が行われるようになります。

また体の前面にあって、脊柱起立筋と対をなしているのが腹筋群になります。
腹筋と背骨は直接つながってはいませんが、腹筋が弱くなってくると骨盤が前に倒れ、腰のカーブが段々ときつくなってきます。
そうなると、背中(腰)に過度の負担がかかるようになります。
(また腹筋が弱くなると、ハムストリングス:太ももの裏側や、殿筋:ヒップが硬くなり、骨盤が前傾して腰に負担がかかりやすくなります)
背中や腰の自然なカーブを保ち、姿勢を維持して腰を守るのに、腹筋や背筋・太もも裏やヒップなどの柔軟性を養い、強化することが重要になってきます。
以下に、自重で行える簡単な体幹部の筋トレ5種目、ストレッチ5種目を厳選してご紹介していきます。
腹筋・腸腰筋の筋トレ:ニートゥチェスト
腹筋の筋トレ:クランチ
体幹・殿筋(ヒップ)の筋トレ:ヒップスラスト
背筋の筋トレ:バックエクステンション
体幹・腹横筋(腹筋の深層)の筋トレ:プランク
腸腰筋(太ももの付け根)のストレッチ
腹直筋・腹斜筋(腹筋)のストレッチ
脊柱起立筋・腰方形筋(腰周り)のストレッチ
殿筋(ヒップ)のストレッチ
ハムストリングス(太もも裏)のストレッチ
終わりに:メニューの進め方
最初はストレッチを15~30秒、1~3セットを目安に。
慣れてきたら徐々に筋トレの種目を採り入れていくと、無理なく体力をアップしていくことができます。
ジムでダンベルやマシンで負荷を加えて行うと、より体を支える筋肉を強化することができます。
(座って行えるマシンだと、腰に過度な負担をかけることなく鍛えることができます)
全身をバランスよく鍛えると体型・姿勢も良くなり、基礎代謝も上がって体も引き締まり、若々しくなってます。
少しずつトレーニングを採り入れて、毎日を快適に過ごしていきましょう。